ギリシャと異なり古代中国では、現象の本質を人間は究明できないとの考えが根底にあり、現象の内側を見えないもの=ブラック・ボックスとし、内部から外に出てくるサインを頼りに、現象の内部の歪み(医療の場合は病気)を治してきました。
こうした方法論は古代中国の他の分野でも行われましたが、現実的な成功を収めたのは、医学だけでした。しかし、陰陽五行を単なる迷信として、全く信用しない人々もいました。その最たるものは江戸時代の日本の医師達で、彼らは中国医学の方法論を無視し、自分流に漢方薬を出し始めたのです。しかし、彼らは再現性に富んだ診断法を編み出せず、民間医療的な非系統的医学の域を脱せないまま今日に至っています。